JDEAN運用マニュアル

取引先・請求先と請求・入金

「JDEAN」に実装されている取引先と請求先の親子関係は2つの目的での使用が考えられます。
  1. 売上管理上の集計・分類
  2. 請求・入金業務のまとまりとして

ここでは、2.請求・入金業務への適用を考えます。

請求における分類の要件

  1. 同一取引先に対する請求書の部門別出力(送付先・締日が異なる)
  2. 消費税の端数丸め処理単位
  3. 残高の計上単位
  4. 入金の単位(個別入金・一括入金)

これらを原則なく適用していくと矛盾が生じる可能性があります。

例を挙げると

  • 消費税計算は総額に対してであるのに、部門ごとに送付先が異なる
  • 部門ごとに締日が異なるのに残高を表記しなければならない

などです

矛盾を避けるための定義

こうした矛盾を避けるために「JDEAN」では、次のとおり原則を定めます。
取引先ごとの残高
  • 締日は1取引先内は全ての請求先で共通とする
  • 消費税の端数丸め処理は、柔軟に設定できるが
  • 取引先ごとの丸めとした場合、表記は取引先ごと(合計請求書のみの表記)
  • 請求先ごと・明細ごととした場合、表記は請求先ごと(請求明細・合計請求書に表記)
  • 残高計上は取引先ごと
  • 入金処理は取引先ごと
取引先ごとの残高
  • 1件の取引先内の請求先ごとに異なる締日を設定できる
  • 消費税の端数丸め処理は、明細ごとまたは請求先ごとの2種のみ設定できる
  • 残高計上は請求先ごと
  • 入金処理は請求先ごと
なお請求先を複数使用して分類する場合は決して【請求先コード0】に請求をたてないでください。 【請求先コード0】は全請求先の集計値および入金額を格納するためにシステムが使用します。

具体的な運用例として

ケース1:請求書を分類別けするが、残高計上・入金は一括

  • 請求先を使用して請求書を分類する
  • 消費税端数処理はどのようにも設定できる
  • 請求明細に残高表記しない(取引先ごと=合計請求書に表記)
  • 合計請求書(鑑)はどのようにでも使用できる
  • 取引先に対し入金処理をする

ケース2:請求書の送付先が複数あり消費税も明記するが、入金は一括でされる

  • 請求先を使用して請求書を分類する
  • 消費税端数処理を請求先ごとに設定
  • 請求明細に残高表記しない
  • 合計請求書(鑑)に残高表記する
  • 取引先に対し入金処理をする

ケース3:同一の企業だが部門ごとに残高表示する。入金は全部門一括でされる(建築・工事現場などによくある)

  • 請求先を使用して請求書を分類する
  • 消費税端数処理を請求先ごとに設定
  • 請求明細に残高表記する(請求先ごと)
  • 合計請求書(鑑)は使用しない(全請求先が掲載されるため)
  • 一括入金したものを請求先ごとに分別入金処理する